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2020年02月12日

炭酸泉のススメ

火山国日本には、多くの温泉があります。さまざまな種類の温泉の中で、「特に治療の目的に供しうるもの」で環境省が定めた成分を含んでいるものは療養泉と呼ばれます。その療養泉の中で、炭酸を冠する泉質は2種類あり、「二酸化炭素泉」と「炭酸水素塩泉」です。

今回は、二酸化炭素泉のお話です。

人は酸素を吸って、二酸化炭素泉を出して生きています。運動などで筋肉の二酸化炭素の量が多くなると、人の体は、二酸化炭素を肺に速く運び、酸素と交換しようと、息を弾ませます。この二酸化炭素や酸素を運んでいるのが、血液です。速く運ぶため、血管は拡張します。血管が広がると、血管に付着していた血栓等が血流に溶けて流れ、血管内がきれいになります。

運動をしないでも、二酸化炭素の量が増えれば、まったく同じことが起きます。これが、「二酸化炭素泉」の療養泉たる所以です。だから、二酸化炭素泉が好き。

炭酸の泡のシュワシュワが楽しめる、いわゆる炭酸温泉は「二酸化炭素泉」に分類されます。1kgの温泉水のなかに、遊離炭酸(二酸化炭素)が1,000mg以上含まれていることが基準です。 高温になると炭酸ガスが抜けてしまうため、30℃台とぬるめの温泉が多くなっています。入浴するとカラダに泡がつくことから、泡の湯、ラムネ湯などと呼ばれることも。温泉によっては飲むこと(飲泉)もでき、泡が弾ける自然の炭酸水を直接取り入れることができます。ペリエはその代表格です。

九州
船小屋温泉郷(福岡県)
福岡県筑後市にある、200年続く温泉郷です。山の中ではなく平地にある鉄分を含む高濃度炭酸泉で、船小屋鉱泉はミネラルを多く含む硬水です。血行促進や疲労回復、リウマチなどに効能があるとされ、炭酸ならではのリラックス効果も注目されています。鉱泉の沈殿物を利用した船小屋鉱泉焼(食器等)や、鉱泉水で作られたラムネなど、特色あるアイテムもこの地域の魅力です。


長湯温泉(大分県)
大分県竹田市の温泉地です。長湯温泉では二酸化炭素泉と炭酸水素塩泉が湧き出していて、温度は30~50℃程度と比較的温かいのが特徴です。血行促進や疲労回復に良く、飲用の効果も期待されていて温泉地の4箇所に飲泉場があります。

長湯温泉に行ったら、行きたいお店は、長湯バルねはんや

七里田温泉(大分県)
こちらも大分県竹田市にある高濃度炭酸泉です。炭酸ガスが豊富に含まれていて、ほかにはないような泡の感触を得られると人気の温泉。透明で泡が弾ける下湯は、ラムネ湯として親しまれています。ただし炭酸ガス濃度が高いため、換気には十分注意して楽しみましょう。


湯之元温泉(宮崎県)
宮崎県西諸県郡にある高濃度炭酸泉です。湯之元温泉は1784年に発見され、明治35年(1902年)に宿が創業されました。神経痛、五十肩、冷え性、動脈硬化症などさまざまな症状への効能が期待されています。

妙見温泉(鹿児島県)
鹿児島県霧島市にある温泉地です。霧島火山帯の地下深くにあるマグマの影響で、地下水が温泉になっています。炭酸ガスと炭酸ナトリウムを含んでおり、血行促進や皮脂を洗い流す効果が得られます。


関西
箕面温泉(大阪府)
大阪市箕面市温泉町にあります。泉質は炭酸水素塩泉で、その美肌効果から「美人の湯」とも呼ばれています。炭酸水素イオンとナトリウムイオンの働きにより、トロトロした感触のお湯になっています。


吉川温泉(兵庫県)
兵庫県三木市吉川町にある、炭酸ガスを含む炭酸水素塩強塩泉です。源泉風呂は豊富に含まれる炭酸の効果で、循環器系疾患や運動麻痺、冷え性にいいとされています。血圧を下げる働きがある炭酸泉は、「心臓の湯」とも呼ばれています。


灘温泉(兵庫県)
兵庫県神戸市灘区にある炭酸ガスを含む炭酸水素塩泉です。神経痛や五十肩、打ち身、疲労回復などに効能があります。水風呂ではなく源泉の温冷浴が可能で、より効果が発揮されると期待されています。

有馬温泉(兵庫県)
兵庫県神戸市北区にある、日本最古といわれる温泉です。多くの成分が含まれる源泉が湧き出しており、「銀泉」と呼ばれる源泉が二酸化炭素泉として利用されます。飲用も可能で、食欲増進効果があるといわれます。


十津川温泉(奈良県)
奈良県吉野郡十津川村にある、二津野ダム湖畔のナトリウム炭酸水素塩泉。十津川村が村内すべての温泉で「源泉かけ流し宣言」をしていることからも、水源の豊かさがうかがえます。

花山温泉(和歌山県)
和歌山県和歌山市鳴神にある、茶褐色のお湯が特徴の炭酸泉です。関西で最も炭酸の濃度が高い温泉といわれ、炭酸ガスの圧力で温泉が湧き出ています。カルシウムや鉄分も多く、温泉の成分が「湯の花」となって堆積しています。湧出が止まっていた時期もありましたが、起源は平安時代にさかのぼるといわれる古くからの温泉です。

中部地方
大沢温泉(静岡県)
伊豆の南、静岡県賀茂郡松崎町にある炭酸泉です。温まりやすく、高血圧や神経痛、皮膚病に効果があるといわれています。肌に良く「化粧の湯」とも呼ばれ、加水されていない源泉を楽しむことができます。

姫川温泉(長野県/新潟県)
新潟県糸魚川市、長野県小谷村の近くにある炭酸水素塩泉です。ナトリウムイオン、塩化物イオンの働きで美肌効果が期待されています。水源の姫川は清流として有名で、国土交通省の調査では人の手が入っていない河川並みの水質であるAAに分類されています。

二本木温泉(長野県)
長野県木曽郡木曽町にある、炭酸ガスを含む炭酸水素塩泉です。シュワシュワの泡で血液循環の改善や肩こりなどへの効果が期待できます。源泉は温度が低いため加温されており、鉄分を多く含んでいるため、空気に触れたお湯が赤茶色になるのが特徴です。
二本木温泉は、日帰り温泉の、​二本木の湯​が有名です。

小坂温泉郷(岐阜県)
温泉地として有名な岐阜県下呂市にあり、一部では天然の炭酸泉が楽しめます。源泉100%の炭酸泉は温度がぬるく、「サイダー風呂」として飲むこともできます。血行促進や神経痛、冷え性などに効果があり、ぬるめのお湯でカラダが温まるので、ゆったりと長湯をしたい方に適しています。
関東
鹿沢温泉(群馬県)
群馬県吾妻郡嬬恋村にある炭酸泉(炭酸水素塩泉)です。軽井沢町から車で1時間ほどのアクセスで、観光地めぐりもできるのではないでしょうか。やけどや関節痛、肩こりや貧血など、さまざまな効能が期待されています。
下仁田温泉(群馬県)
群馬県甘楽郡下仁田町にある山里に囲まれた秘湯です。動物が傷を癒やす姿を村人が見つけたことが起源であるといわれています。源泉は16℃と冷たいため、浴槽のお湯は加温されています(加水はありません)。
日光湯元温泉(栃木県)
栃木県日光市にある硫黄泉・炭酸水素塩泉です。水源である湯ノ湖の北に、温泉街が位置しています。白く濁ったお湯が特徴で、無料で足湯を楽しめるスポットも。神経痛やリウマチに効果があるとされています。

須玉温泉(山梨県)
山梨県北杜市須田町にある炭酸水素塩泉です。一日に1,080tという豊富な湧出量を誇っています。源泉は28℃とぬるめで、40℃の温かい温泉と交互に入浴すると効果が高まるとされています。

北海道・東北
黄金温泉(北海道)
北海道磯谷郡蘭越町黄金にある、黄土色の露天風呂や泡付き風呂が楽しめる温泉です。泉質は炭酸水素塩、ナトリウム塩化物、硫酸塩泉で、利用は日帰り・半混浴。豊かな湧き水で知られる羊蹄山を望む絶景を楽しみながら温泉に入れます。

五味温泉(北海道)
北海道上川郡下川町班渓にある、約100年の歴史を持つ炭酸泉です。二酸化炭素(炭酸ガス)を含む炭酸水素塩泉(ナトリウム、マグネシウム、カルシウム)で、神経痛や筋肉痛、疲労回復などに効果があるとされています。周辺には森林が広がっており、入浴の前や後に散歩する楽しみ方も。

八甲田温泉(青森県)
青森県青森市駒込深沢にある温泉で、37.9℃の「らむね湯」を含む複数の温泉があります。らむね湯は炭酸ガスと硫黄を含んでおり、血液循環の改善や肌をきれいにする美容効果があるといわれます。露天風呂からは八甲田山を眺めることもできるよう。

乳頭温泉郷(秋田県)
秋田県仙北市田沢湖の国有林にある温泉郷です。重曹炭酸水素泉、ナトリウム炭酸水素塩泉を含むさまざまな泉質の温泉が湧き出ています。所在地が岩手県との県境付近であるため、秋田市よりも岩手県盛岡市からのアクセスが便利です。

肘折温泉郷(山形県)
山形県最上郡大蔵村にある温泉郷です。1,200年の歴史を誇る温泉地で、泉質は炭酸水素塩泉です。塩化ナトリウムや炭酸ガスの効果が湯治に用いられてきました。月山の麓にあり肘折ダムと近く、豊かな水源地でもあります。
玉梨温泉(福島県)
福島県大沼郡金山町にある温泉です。このうち大黒湯は、炭酸ガスを含む36.8℃の炭酸水素塩泉です。炭酸温泉は2016年から利用可能になりました。

  


Posted by リリー at 10:32Comments(0)旅行温泉